トラウム デス ヴァーンズィンス

トラウム デス ヴァーンズィンス

演者リスト
キャラ名 キャスト名 セリフ数
騎士 山原水鶏様 16
マリー 佐倉浅希様 11
イルマ 綾瀬まゆる様 16
主人 日下稔 15
レーブレ 志野いくえ様 17
クレーメン 春日祐希様 14
人魚 うだちかの様 13
クラウン chirol様 10
高瀬伊織様 9
詳細
サンプルボイス提出期限 2016年4月30日(土)
サンプルボイス提出ファイル名 キャラ名.wav
台本にある担当キャラの台詞を2.3個繋げて録ってください。
音の高低に指定はありません。自由に演技をどうぞ。
ただ、基本みんな狂っていますので、そちらだけ注意してもらえれば。
本編音源提出期限 2016年5月31日(火)
本編音源提出フォルダ 本編音源_名前
このページのファイル名に準じて名前を付けてください。
例)001_001.wav
リテイク提出期限 2016年6月30日(木)
リテイク提出フォルダ リテイク_名前
このページのファイル名の後ろにreをつけてください。
例)001_001re.wav
ファイル形式 サンプルビット数 サンプリング周波数
wav 16bit 44.1kHz


ドイツ語音声のガイドはコチラより

役名 ファイル名 台詞
オルゴール小さくが流れている
オレンジ色の灯りが点ったかと思うと、ジオラマが見える
その中にあるクラウンの人形が恭しくお辞儀をして語りだす
クラウン 001_001 それは、ある箱庭のシュライ(悲鳴)
レーブレ 002_001 悲しくはありません
クラウン 003_002 それは、あるマリオネットのラッヘ(復讐)
マリー 004_001 悲しくはありません
クラウン 005_003 それは、ある船のフェアゲーエン(消失)
クレーメン 006_001 悲しくはありません
クラウン 007_004 それは、ある王のナハト(夜)
イルマ 008_001 悲しくはありません
クラウン 009_005 全てはツァイト(時)の意のままに。流れ落ちるウーア(時間)をとめることは、いかなる者にも許されぬ。トラウム デス ヴァーンズィンスへようこそ。心よりお待ちしておりました。トート(死神)様
クラウンがお辞儀する
場面が暗くなる
暗い中、クラウンの声が響く
クラウン 010_006 とあるところに、小さな小さな箱庭がありました。彼はそこで育ちました。気立がよく、愛らしく、見る人に美しい声を届ける。それが彼のお仕事です。外へ逃げたことなど一度もありません。けれど、箱庭の主人はとても心配性でした。彼がいつ逃げ出すか気が気でなりません。そこで彼女は決めたのです。
扉が開く
鳥かごの中にいるレーブレが、格子を握って主人を見上げる
レーブレ 011_002 ケーニヒ(王)様、どうしたんですか?
主人 012_001 レーブレ。いいや、なんでもないよ
レーブレ 013_003 今日はなにを歌いましょうか?
主人 014_002 今日はそうだね、グリュック(幸運)を歌ってくれるかい
レーブレ 015_004 はい。喜んで!
主人 016_003 ああ、可愛いレーブレ。私の、私だけの愛玩具。私はお前が愛しくてたまらないよ
レーブレ 017_005 僕もケーニヒ様のこと、大好きです!
主人 018_004 (レーブレの言葉は理解できる単語として主人に届いていません)? 答えてくれているのかい? ふふ、ありがとう
レーブレ 019_006 ケーニヒ様?
主人 020_005 お前は誰にでも愛される。いつか攫われてしまうんじゃないだろうか。いや、お前が私以外を主として、私を置いていってしまうんじゃないかと不安なんだ
レーブレ 021_007 大丈夫ですよ、ケーニヒ様。僕はずっとあなたの傍にいます
主人 022_006 外へと羽ばたけるそのフェーダー(羽)がいけないのだろうね
レーブレ 023_008
主人 024_007 レーブレ、今から私が行うことをどうか許しておくれ、私にはこうすることしか出来ないんだ
レーブレ 025_009 ケーニヒ様? あの、放してください、痛いです
主人 026_008 可愛いお前を苦しめたくはない、どうか逃げないでおくれ
レーブレ 027_010 ケーニヒ様、苦しいですっ! 放してください! お願いです!
主人 028_009 鳴かないでおくれ
レーブレ 029_011 なに? や、嫌だ! 痛、いたっ――それ、僕の、フェーダーっ! 引っ張るの、やだっ!! 痛い、痛いです、あぁあああ!!
主人 030_010 鳴かないでおくれ、愛しているから
レーブレ 031_012 ぁ、っが……い、たい……それ、ぼく、の、……フェーダー?
主人 032_011 ああ、綺麗なフェーダーだね。お前のフェーダーは白くて美しい
レーブレ 033_013 ……ケーニヒ様?
主人 034_012 さあ、もう片方も取ってしまおう。お前が二度と、ここから出られないように
レーブレ 035_014 っ! い、嫌です! 嫌です!! やめてください、お願いします、なんでも言うこと聞きますから、嫌です、やだ!
主人 036_013 泣かないでおくれ
レーブレ 037_015 ゃだ――ぅあ、あぁあああああ!!!
主人 038_014 ああ、白いフェーダーがこんなに赤く染まってしまって。けれど、もう大丈夫だよ、お前はこれで、どこにもいけない。この箱庭で可愛く啼いておくれ
レーブレ 039_016 痛い、いた……ぃ。ぼ、く……の
主人 040_015 愛しい愛しい我がフェークライン(小鳥)。さぁ、ゲツヴィッチャー((小鳥が)さえずる)を聞かせておくれ。愛していると言っておくれ
レーブレ 041_017 ……はい、愛しています。ぼくのケーニヒ様
扉が閉まる
クラウン 042_007 リーベ(愛)も行き過ぎると危険ですねぇ。さて、次はマリオネットのお話です。彼女はとても衝撃的なものを見てしまいました。そう、浮気現場です。まぁ、人は欲の塊ですから、浮気心が沸かないのも悲しいのですが。ヴァール(真実の)リーベを誓った相手がいるのにも関わらず、浮気をするのは下衆のやること。だから彼女は決めたのです。
扉が開く
マリー 043_002 うれしい、とても嬉しいわ、彼が私にヴァールリーベをくれたの。ねぇ知っている? ヴァールリーベって。あら、知らないの? ふふ、子供ね。ヴァールリーベっていうのはね、片手で砕けるシュテルン(星)のようなものなのよ
044_001 ああ、マリー。どうしよう、僕は彼女に一目で恋に落ちてしまった。あの黒髪、艶やかな爪。まるでリヒト(光)じゃないか。ねぇ、君もそう思うだろう?
マリー 045_003 私に愛していると囁いた唇で、他の女を愛でる彼。ああ、困ったものだわ、浮気性なのはいつものこと。でもね、許してあげるの。だって私はゼーゲン(祝福)の心を持っているのだから
046_002 さぁ、明日は彼女の家に呼ばれているんだ。彼女の自慢のフェークラインを見せてくれるみたいだよ。踊ろう、マリー。君と僕の2人で、ささやかな祝賀会だ!
マリー 047_004 くるりくるり、まるでこの世に2人だけのようなダンス。彼の胸に抱かれて夢心地を味わうのはいつぶりかしら。ねぇ、覚えている? 最愛は私だと言ったことを。覚えている? 愛しているのは私だけだと、他の誰も見ないと誓ったことを
048_003 明日は何を着ていこうか。やっぱり、プレゼントは必要だよね。プッペ(人形)がいいかなぁ、僕が唯一誇れることと言えばプッペを作ることだけだから
マリー 049_005 そうね、アナタにはそれしかないもの。誰にも理解されないプッペ職人。モノ言わぬ抜け殻を愛でて、一人で寂しい悲しい人。だから私が愛してあげた
050_004 ブーフ(本)は好きだろうか、でもユヴェール(宝石)を送るべきかな。ねぇ、どう思う?
マリー 051_006 どちらも素敵よ。私ならどっちだって構わないの。でもね、その前にやっぱり乾杯しましょう? 今日は祝賀会なのだから
052_005 ああ、しまった。せっかく注いだワインを飲んでいなかったね。さぁ、僕らに乾杯だ!
マリー 053_007 ええ、乾杯よ。私とアナタに、乾杯
054_006 ……ぁ、あぐっ! あ、あれ? お、かしいな、体が、しびれて?
マリー 055_008 ふふふ、やっぱり、美酒の味は違うわよね。特別なメディカメント(薬)を入れておいたの。だって今日はお祝いでしょ? 私とアナタの。ね?
056_007 ああ、マリー。僕は病気なのかな。血が、口から出てとまらない
マリー 057_009 ええ、病気よ。お医者様にも治せない、恋の病よ
058_008 おかしいな、体が動かないよ。あはは、どうしてだろう。せっかくヴァールリーベを見つけたと思ったのに
マリー 059_010 あなたはずっと前にヴァールリーベを見つけているわ。だから泣かないで寂しい人
060_009 誰もいない、誰も……マリー、君は僕と一緒にいてくれるよね
マリー 061_011 もちろんよ、いとしい人。あなたに私の全てをあげるわ
扉が閉まる
クラウン 062_008 永遠のリーベは手に入るんですよ、皆さん。ぜひお試しくださいね。さて、次は孤独な青年を乗せたシフ(船)のお話。シュトゥルム(嵐)の中、故郷へ戻るシフを突然のオルカーン(大暴風)が襲います。けれど大丈夫、こういう時は人魚姫が助けてくれるって、みなさんご存じですよね? そして二人は恋に落ちるのです。それが、リーベというものです。そして彼女は決めたのです。
扉が開く
嵐の中、帆を仕舞っているクレーメン
クレーメン 063_002 くっそ、オルカーンに見舞われるなんて。プッペを届けるだけだってのに、ついてない
人魚 064_001 うん? あれは、人間? こんなオルカーンじゃシフなんてすぐ沈むのに
クレーメン 065_003 くそう! だめだ、このままじゃシフが――うわぁああ!!
人魚 066_002 シフはあっけなく波に飲まれ、青年は私の前を沈んでいった。お父様には人間とかかわり合いになるなと言われたけれど、でも、レーベン(命)を救うことは、いけないことなんかじゃないはずよね? それに彼のアウゲン(目)、とても綺麗だもの
陸に引き上げ、クレーメンが眼を覚ます
クレーメン 067_004 う、ううん? あれ? オレ、どうしてここに。シフに乗ってて、オルカーンで……あ、荷物は!? ……ダメだな。何もない。まぁ、レーベンがあっただけでもよしとするか
人魚 068_003 どうしよう、助けたのはいいけれど。このままじゃあの人が行っちゃう。でも私は人前に出ることなんてできないし
クレーメン 069_005 ん? あんたは誰だ?
人魚 070_004 え? ああ、彼の前にいるのは誰? 綺麗なドレスを着て、キラキラしてる
クレーメン 071_006 この国の姫? え? 姫さん?! う、わ? す、すみませんこんな格好で。え? オレを王宮に? でも
人魚 072_005 あ、あの人が行ってしまう!
クレーメン 073_007 助けてもらってありがとうございます
人魚 074_006 待って。あなたを助けたのは私よ! ああ、行ってしまった。王宮って言ってたわよね。なら、海からでも見えるはず! ……あ、見えたわ!
クレーメン 075_008 ありがとうございました。あなたがオレを救ってくれたんですね
人魚 076_007 違うわ、貴方を救ったのは私よ? どうして? どうしてお姫様は嘘をつくの?
クレーメン 077_009 なんて綺麗な人なんだ。オレのような船乗りにも優しくて、素敵な人だな
人魚 078_008 貴方を救ったのは私なのに! ねぇ、お願い、こっちを見て! 私の声を聞いて!
クレーメン 079_010 これが恋なのかな
人魚 080_009 結局、彼は私を見てくれなかった。そして、そのままお姫様と結婚してしまった。どうして? 私が助けたのに。私が一番初めに綺麗だと思ったのに。私の方がずっと、ずっと――許せない
クレーメン 081_011 ふぅ、まさかオレが王様になるなんてなぁ。人生、なにが起きるかわからないなぁ
人魚 082_010 ねぇ、いらっしゃい。さぁ、いらっしゃい。貴方がくるべきなのはメーア(海)よ
クレーメン 083_012 ん? なんだ? なんだか、メーアに行かなきゃいけない気が……
人魚 084_011 私が愛したのだから、私のものなの。誰にも渡さないから。絶対、許さないから。そのアウゲンは私のものよ。ライヒェ(死体)は返してあげる。だけど、それは頂戴?
クレーメン 085_013 うぐあぁあ!! アウゲン、オレのアウゲンが
人魚 086_012 動かないで。綺麗に取れないでしょ。ああ、取れた! やっぱり素敵、綺麗よ、きれいだわ
クレーメン 087_014 お前は、ヘクセ(魔女)か? くそう誰か、誰かいないか!
人魚 088_013 私がヘクセ? ふふふ、うふふ。そうかもね。貴方にとってはそうかもしれないわ。さぁ、一緒にメーアへ行きましょう。ライヒェは返してあげる。あのお姫様にね。ふふふ、うふふふ、あははははは!!
扉が閉まる
クラウン 089_009 ああ、初恋は実らぬもの。みなさんもそんな経験ありませんか? 甘酸っぱい初恋、いいですよねぇ。愛する人の一部を是が非でも手に入れたいとか思いません? 思いますよねぇ。素敵ですよね、恋。さて、次のお話はとあるヴューステ(砂漠)でのお話。王女はリッター(騎士)と共に夜のヴューステへと逃げ出します。その手に一羽のフェークラインの籠を持って。そして彼女は決めたのです。
扉が開く
騎士 090_001 お急ぎくださいイルマさま、じきゲーグナー(敵)が気づきます
イルマ 091_002 私はシュテルプリヒカイト(死すべき運命)の者だ。私といればお前は――
騎士 092_002 我が忠誠は貴女のもの。望まれるのならこのレーベン、惜しくはありません。ご随意にお使いください
イルマ 093_003 ……私は、ここから逃げたい! ともにこい、リッター!
騎士 094_003 っは、お望みのままに
イルマ 095_004 (息切れ)こ、ここまで来ればいいか。ああ、鳴かないでくれ。お前だけが私の癒しなのだ
騎士 096_004 イルマさま、その鳥かごは一体。中身は
イルマ 097_005 ああ、これはフェークライン。私の唯一の友人だ
騎士 098_005 かの国はもうだめです……御父君がヘクセに襲われてからというものメーアの神が怒り狂っているようで
イルマ 099_006 父はヘクセに殺された。アウゲンをくり抜かれてな。父がヘクセを怒らせたのかどうか、私には知る由もない。ただ、彼はアーメに引きずり込まれた。それは事実だ
騎士 100_006 フェアヴュンシュン(呪い)でしょうか
イルマ 101_007 わからぬ。だが、私はもう望まぬ結婚はしたくない
騎士 102_007 お任せ下さい。不詳ながらわたくしが、イルマさまをお守りします
イルマ 103_008 ああ。しかし、どうにもヴューステの夜は冷えるな
騎士 104_008 外套をどうぞ
イルマ 105_009 それではお前が冷える。私は構わない
騎士 106_009 いいえ。どうか外套を
イルマ 107_010 そうか。……ありがとう
騎士 108_010 ……随分とナハトが濃くなってきたな。イルマさまは寝ている。おい、フェークライン。わたくしはお前が嫌いだ。イルマさまのそばにいるものすべてが憎い。イルマさまはわたくしのリヒト。だからこそ、リヒトにシャッテン(影)をもたらす存在などいらない。さぁ《鳥かごを空ける》どことなりと失せろ
イルマ 109_011 う、ううん? あ、何をする!
騎士 110_011 あのようなフェークライン、必要ありません。あなたにはわたくしがいます!
イルマ 111_012 嫌だ、放せ! 放せ、リッター!!
騎士 112_012 わたくしと共に逃げましょう。もう望まぬ相手の手をとることはないのです。あのフェークラインがいては、いずれ勘付かれます
イルマ 113_013 そんな。お前は私の唯一すら奪うのか!? そんなに私が憎いのか?
騎士 114_013 そのようなことはありません。貴女だけがわたくしのリヒトです。だからこそ、陰ることは許せない
イルマ 115_014 ……そうか、私はどこまでいっても籠の鳥なんだな
騎士 116_014 フェークラインになりたかったのですか?
イルマ 117_015 いいや、もし羽ばたけたとしても、このヴューステでは無残に死ぬだけだ
騎士 118_015 貴女はわたくしのモノになってくれますか?
イルマ 119_016 そうだな。ゼーレ(心)がない私でいいのなら、くれてやろう
騎士 120_016 ありがたき幸せ
扉が閉まる
クラウン 121_010 いかがでしたか? 4つの恋物語。ああ、素晴らしい。どうして恋とはこのように切なく、ゼーレを抉るのでしょう。はて、お前には抉れる部位がないだろう? ああ、これは失礼。私は既に火葬された身でしたね。今更抉れる部位などない。誰かに愛されていたのでしょうか。誰かを愛していたのでしょうか。覚えていませんね。ふふふ、けれどいいのです。この場所で誰かのレーベを紡ぐ事が、私のお仕事ですから。では、本日はこれにて。
電気がつくと、ジオラマが焼け焦げている
クラウンの姿はなかった